日本の美意識「わび・さび」と「ミニマルデザイン」の関係性について
最近ふとした瞬間に「わび・さび」とミニマルデザインってなんか似ているよなーと思ったので二つの似ているところと違いについて調べたことをシェアしていきたいと思います。
そもそも「わび・さび」についても日本人なのによくわかっていなかったし、ミニマルデザインについてもふわっとしか理解していなかったので今回調べる時間を作れたのはいい機会になりました。記事を書きながら自分の知識が増えていくのはスラダンの桜木みたいに試合中にだんだん成長しているイメージに近いですね。
話がそれましたが、「わび・さび」と「ミニマルデザイン」の関係性について書いていきます。
わび・さびとは
わび・さび(佗・寂)は、日本の美意識の1つ。一般的に、質素で静かなものを指す。本来佗(わび)と寂(さび)は別の概念であるが、現代ではひとまとめにされて語られることが多い。
— 有休ん (@NAMAZUrx) 2016年9月26日
もともとわび(侘び)・さび(寂び)と別々の意味を持つ言葉です。
言葉としての意味は、
侘び:侘ぶという動詞の名詞形で、「わびしい、悲しい」という意味
寂び:寂ぶという動詞の名詞形で、「さびれていく、廃れていく」という意味
考え方としての意味は、
- わび(侘び) : 貧粗・不足のなかに心の充足をみいだそうとする心
- さび(寂び) : いつかは消え去ってしまうであろう劣化が進んだものを美しいと感じる心
ものすごく簡単にまとめましたが、わびは不足の美しさ、さびは経年劣化の美しさを感じる心のことを指しているのだなと理解しています。 そしてわびは内面の美しさ、さびは外面の美しさを表現する際に使用され、「わび・さび」とは質素で静かなもの対して、美しいと感じる美的感覚です。
ミニマル・デザイン(Minimal Design)は、あまり使用しない機能のせいでシステムが肥大化することを避け、必要最小限の機能に絞って設計することをいう。
http://vanenglish.hatenablog.com/entry/
ミニマルデザインとは
ミニマル・デザイン(Minimal Design)は、あまり使用しない機能のせいでシステムが肥大化することを避け、必要最小限の機能に絞って設計することをいう。
とWikipediaには説明してありますが、海外のデザイン業界でよく使われる言葉で下記のものがあります。
- Less is more より少ないことは、より豊かなこと
- Everything you need, nothing you don’t 必要なものだけ
- Perfection is achieved when there is nothing to take away 完璧とはこれ以上削れない状態の事である
Simple is bestの精神ですね。また、「KISS の原則」というのもありまして、KISSは"Keep it simple, stupid" (シンプルにしておけ!この間抜け)、もしくは、"Keep it short and simple"の略であり、余計な複雑性は避けるべきということを表す言葉です。。
上記のような考え方が海外にはありまして、つまりミニマルデザインとはシンプルなデザインのことを指します。 テクノロジーなどの発達により、より複雑化する社会の中で、生身の人間にも分かりやすく、”どれだけ”シンプルに表現出来るかが。デザインする上で重要なカギとなっています。
また、最近は物を減らしてシンプルに生きる、少ないもので豊かに暮らしたいなどミニマルデザインの考え方を日常生活に取り入れたミニマリストなんかも流行り始めています。
二つの類似点・相違点
少ないものに価値を見出すという点で「わび・さび」とミニマルデザインの考え方は一緒ですね。ただ「さび」の経年劣化の美しさという概念はミニマルデザインには含まれていないように思えます。本質的には本当に重要なものを見出すという点で一緒ですが、厳密に言うと一緒ではないですね。
まとめ
今まで「わびさび」はシンプル or 足りないことを美しいと感じるというイメージだったのですが(これはこれで合っていますが)、さびの時間的要素が加わっていたことが知れたのは、いい発見でした。また、今の自分の生活を見直してミニマルな生活ができるように変えていこうかなと思えるようになりました。皆さんもこれを機会に、「わび・さび」の心を大切にしてください。
では。